のりすけ(46歳~50歳・男)

異性であれ同性であれ、自分が相手を思うほどに、相手からは思われていないと感じたら、とても淋しい。切なくて、苦しいけれど、そんなに好きになれる人と出会えたことこそ、素敵じゃないか。いろいろな不運が重なるフランシス。虚勢を張って、自分をなだめて、奮闘する姿がイタイタしいけど、応援したくなる。もがいて、もがいて、どうにかこうにか、「フランシス・ハ」!(タイトルが絶妙!)Ahoy, Sexy! 滅茶苦茶、愛しいわん。

kadokado1958
(56歳~60歳・男)
爽やかな女性映画。特に大きな事件が起こるわけではないが、フランシスがNYの街を元気に走るシーンや男性二人とルームシェアする描き方が非常にいい。主演のグレタ・ガーウィグは、「29歳からの恋とセックス」('12)で初めて知り(この映画も恋と結婚で悩む普通の女性を演じている)、好感を持ったが、この映画を観てますます好きになった。ハッピーエンド風なのも良かった。
矢野薫
(41歳~45歳・女)
なぜ白黒なのだろうか?  私の日常での白黒活用法は、履歴書に貼る証明写真だ。面接までいくかどうか分からないのに、茶髪を黒に変えたくないという「見せたくないものを隠すため」ということは、逆に「見せたいものだけを見せる」ということになる。  現代の風景を切り取ろうとすれば、ネオンなど派手な色に目がいってしまう。だが白黒ならば人物に集中できる。  描きたいものが、人物と、白や黒も色のひとつ(個性)であるから、白黒なのだろう。
ケイト
(51歳~55歳・女)
人生の壁にぶつかりながらも前向きに歩きだそうとする、27歳のフランシスの自分探しの日々を、等身大に描いたガーリーな作品。トリュフォー、カラックス、アレン等さまざまな映画へのオマージュを感じるオシャレな作品だけれど、本作の肝は外見上のオシャレさだけでなく、その卓越した人間観察と人物描写にある。鋭いだけでなく、主人公フランシスを愛情込めて面白がっている作り手の目線が暖かい。
トッパ
(51歳~55歳・男)
何もかもが上手くいかない状況の中で見栄を張ったり強がったりするフランシスの姿は、文字通り「イタイ」。しかし、それが他人事とは思えなかった自分としては大いに共感できました。トリュフォーっぽかったりウディ・アレンっぽかったりするシーンもあるので、映画好きなら観る価値充分。
uotora
フランシスの「イケてない」っぷり描写が的確。女性同士の友情や見栄の張り合いも「なるほどなあ」と得心できる。感動に打ち震えるような作品ではないが、クスリと笑えてホンワカした心持ちになれる映画。ラストに判明するタイトルの意味も、「あー、あるある(笑)」って感じで良かった。
Norihisa
NYを走る。一人の27歳の物語。
恋に仕事に悩み、どうしようかと思っている等身大の女性。でも、彼女はおれない。必死で、前を向いて壁に体当たりしていく。突破できなくてもなんども体当たりする。それがとても心地よい。
挫折しても立ち上がる。このバイタリティーとまっすぐさが見る人を心地よくさせる。
随所にみられる音楽センスも抜群というか、懐かしくもある。