1970年代のインド南部タミル地方。キルバイは警察官採用試験に合格するが、血を見ると気を失うこともある小心者だった。着任を間近に控えたある日、不可解な殺人事件に巻き込まれ、自身が牢に繋がれてしまう。政界に強いコネクションを持つ悪徳警視ラトナクマールはキルバイに、警察官への復帰の条件として、マドゥライ地方のギャングの親分シーザーの暗殺を命じる。シーザーに近づくため、彼はサタジット・レイ門下の映像作家のふりをして、シーザーを主演にした映画の監督の公募に名乗りを上げる。クリント・イーストウッドの西部劇が大好きなシーザーがキルバイを抜擢したことから、ふたりの運命は思いもよらない方向に転がり始める……。