18世紀末、スペインのセヴィリャ近郊にある国事犯の監獄。牢番ロッコ(ルネ・パーペ)の娘マルツェリーネ(イン・ファン)は、父の助手フィデリオに恋している。だが実はフィデリオの正体は、獄中にいる夫フロレスタン(デイヴィッド・バット・フィリップ)を助け出すため男装している彼の妻レオノーレ(リーゼ・ダーヴィドセン)だった。フロレスタンは監獄の所長ドン・ピツァロ(トマシュ・コニエチュニ)の不正を暴こうとして、逆に投獄されてしまったのだ。そんななか、司法大臣ドン・フェルナンド(スティーヴン・ミリング)の視察があると知ったピツァロは、フロレスタンを殺そうと地下へと向かう。ところが彼の前にレオノーレが立ちはだかり……。