オークション・ハウス、スコッティーズに雇われ、パリで働く競売人(オークショニア)のアンドレ・マッソン(アレックス・リュッツ)。ある日、彼のもとに一通の手紙が届くが、それはエゴン・シーレと思われる絵画の鑑定依頼だった。シーレほどの著名な作家の絵画はここ30年程、市場には出ていない。当初は贋作と疑っていたアンドレだが、念のため、元妻で仕事のパートナーであるベルティナ(レア・ドリュッケール)と共に、絵が見つかったフランス東部の工業都市ミュルーズを訪れる。化学工場で夜勤労働者として働く30歳の純朴な青年マルタン(アルカディ・ラデフ)が父亡き後、母親とふたりで暮らす家に、その絵はあった。現物を見たマッソンとベルティナは驚き、笑い出す。それは間違いなく行方不明だったシーレの傑作『ひまわり』であった。思いがけなく見つかったこの絵画を巡り、次々と明らかになる関係者たちの隠された秘密。彼らが本当に手に入れたいものとは……。