1943年、マリア(ハンナ・シグラ)はヘルマン・ブラウン(クラウス・レーヴィッチュ)と、爆撃下の戸籍登記所で結婚式をあげた。しかし、半日と1夜の新婚生活のあとヘルマンは東部戦線に出発した。戦争が終ってもヘルマンは帰ってこなかったが、マリアは、夫の生存を信じて、尋ね人のプラカードをさげて駅にかよった。そして駅で米軍がくれたタバコを基に衣裳をそろえ、アメリカの占領軍のGIバーにつとめた。帰還兵の最後のグループで、親友べティ(エリザベト・トリッセナー)の夫ウィリー(ゴットフリート・ヨーン)が帰った時、マリアは、夫ヘルマンの戦死を知らされる。マリアは黒人兵ビル(ジョージ・バード)の愛を受け入れ、暮しは豊かになった。平穏に暮していたマリアが妊娠した頃、死んだと思っていたヘルマンが帰還した。ビルにたちむかう惨めなへルマンを見て、マリアはつい酒瓶でビルを殴り殺してしまった。そして、ヘルマンは、マリアの罪をかぶり自ら入獄した。マリアは牢獄を訪れ、ヘルマンに、2人の新しい人生を出発するために働くと誓った。そして、ビルの子供は流産した。夜汽車で知り合った実業家オスワルト(I・デニー)の秘書兼愛人になったことも獄中のヘルマンに報告した。オスワルトの事業はマリアのおかげで発展した。しかし、ヘルマンのことを知らないオスワルトは、週末ごとに姿を消すマリアの行先をつきとめマリアには内諸でへルマンと契約を結んだ。急に出獄することになったヘルマンは、しかしマリアの前には現われず、一人前の男になったら戻ってくると置き手紙をして旅に出ていった。そして、生きている証拠に毎月バラを1本ずつ贈ると約束した。1954年、オスワルトが死に、ヘルマンが戻ってきた。しかしマリアは、事故とも自殺ともつかぬ死でその一生を閉じるのだった。