「越境者」「街は自衛する」のピエトロ・ジェルミ監督が、自から主人公としても出演して一九五六年に監督した、労働者の一家庭を描くネオ・リアリズム作品。アルフレード・ジャンネッティの原案にもとづき、ジェルミとジャンネッティ、ルチアーノ・ヴィンセンツォーニの三人がシナリオを書き、エンニオ・デ・コンチーニとカルロ・ミュッソがこれを修正加筆した。撮影は「越境者」のレオニダ・バルボーニ。音楽は同じく「越境者」のカルロ・ルスティケリ。ジェルミの他に「大遠征軍」「芽ばえ」のシルヴァ・コシナ、ファッション・モデル出身でこの作品によりサン・セバスチャン映画祭で女優賞を受けたルイザ・デラ・ノーチェ、ジェルミに見出されたエドアルド・ネヴォラ少年、カルロ・ジュフレ等が出演する。製作カルロ・ポンティ。なおこの作品は他にサンフランシスコ映画祭の男優賞(ジェルミ)、コーク映画祭監督賞などを受賞している。