コンピューター化され、械機文明が高度に発達した現代のパリ。おのぼりさんのユロ氏(J・タチ)は、一流の近代的な大会社に就職するためにやって来たが、ノンキ者の彼は、面接係に会ったもののちょっとした行き違いから、すぐはぐれてしまった。最新の商品を展示してあるモダンな会場に迷いこんだユロ氏は、そこで観光旅行団の一行に出会い、若い娘バーバラ(B・デネック)と知り合いになる。その夜、街に出たユロ氏は、偶然、会社の面接係と再会して話をつける。次に近くのドラッグ・ストアーでパンを食べていると、友人の“ローヤル・ガーデン”のボーイにさそわれ、パーティに出かけることになった。そこで、またしても観光団に出会うのだが、ユロ氏は玄関に入るやいなや、総ガラスのドアを壊すやら、柱にぶつかるやらで散々。パーティが最高頂に達するや、混乱は混乱をまねいて、収拾がつかなくなってしまった。やがて明け方となり、人々はひと晩の狂宴を終え、それぞれ家路につく頃、ユロ氏とバーバラは街に出た。ついに二人の別れの時が来た。ユロ氏は、パリの思い出にとバーバラにネッカチーフをプレゼントした。楽しい思い出とネッカチーフを胸にバーバラは、オルリー空港へと向かうのだった。