アメリカ東部の小都市レバノン--幾日も降り続く雨は濁流となり、堤防の決壊は時間の問題となった。非常事態に備えて、囚人たちが動員された。しかし、自然の猛威は遂に堤防を破り、彼らを濁水の中に押し流した。囚人の一人ドナバン(H・キール)は泥水の中で、一人の女を救った。彼女はエリザベス(A・ヘイウッド)といった。彼女の父は医師で二階建の家はまだ安全だった。家族は一人も残っていなかった。ドナバンは外に出て、危険を逃れたピーブルス(C・クサック)とシャーキー(H・コーベット)を連れて来た。一軒の家に一人の女と三人の男が立てこもり、異様な空気をみなぎらせた。エリザベスを狙うピーブルス、そうさせまいとするシャーキー、黙々と筏を作るドナバン。エリザベスは彼らの会話から、ドナバンとピーブルスが囚人で、シャーキーが看守であることを知った。ドナバンはかつての会社の同僚マーフィーの妻を殺した罪で、終身刑を宣告され、すでに六年間服役していた。マーフィーは会社を乗取って、ウェスト・ミルズにいた。ドナバンのマーフィーに対する復讐を知ったシャーキーは、彼の目を盗んで筏に乗り家を抜け出した。間もなく家は押し流された。三人は小舟に乗り移った。ドナバンはエリザベスを守るために、ピーブルスを水中にほうり出した。ドナバンとエリザベスは小島にたどりついた。彼は彼女に自分の過去を話した。彼は無罪だった。マーフィーが自分の野望のために、彼に罪を着せたのだった。エリザベスは彼の話に感動し、いつしか彼を愛しはじめていた。彼女はドナバンの復讐を止めようとしたが、彼は単身ウェスト・ミルズに向った。岸に上ったエリザベスも、市役所にかけつけ、保安官にドナバンの無実を説明した。彼女は、そこで難民の手当に忙殺されている父に会った。彼女は父の止めるのもふりきって、ふたたび雨の中へとび出していった。一方、救助隊に助けられたシャーキーの知らせで、警官隊はマーフィーの家の周辺に待機した。その囲みを破って、ドナバンは家の中に忍びこんだ。ドナバンはマーフィーのピストルを取上げ、冤罪の恨みをこめて彼の顔面に鉄挙の雨を降らせた。何分かの死闘が続いた。ドナバンはエリザベスの声に我にかえった。彼女はドナバンが殺人罪を犯していないのを見て、いまは安堵の胸をなでおろすのだった。