楽聖フレデリック・ショパンの伝記に取材して「春のパレード」を脚色したハンガリーの劇作家エルンスト・マリシュカが脚色し、「モナ・リザの失踪」「春のパレード」のゲザ・フォン・ボルヴァリーが監督に当った映画である。撮影は「ワルツの夢」「少年探偵団」のウェルナー・ブランデスが担当し、台詞は「吼えろ!ヴォルガ」のジャック・ナタンソンが書き、ルネ・クレールの助監督として「最後の億万長者」「パリ祭」に協力したアルベール・ヴァランタンが総指揮に任じた。なおショパンの音楽を編曲に当ったのは伯林国立歌劇場の指揮者アロイス・メリハルである。ショパンには「姿なき殺人」出演の新進ジャン・セルヴェが扮し、助演者はいずれも舞台と映画とに出演している人々、ジャニーヌ・クリスパン、ダニエル・ルクルトワ、リュシエンヌ・ルマルシャン、マルセル・ヴァレ等の腕利きを始め「にんじん」のカトリーヌ・フォントネー、古くから知られているエルナ・モレナ、その他の面々である。