目下アメリカMGMにあって活躍しているラインホルト・シュンツェルが「お洒落王国」や「カルメン狂想曲」などのミュージカル畑から転向して監督・製作した映画で、エファ・ライトマン作舞台劇『処女イレーネ』をシュンツェル自ら原作者と協力脚色したものである。主なる出演者は「第九交響楽」のリル・ダゴファー、新人ザビーネ・ペータース及びゲラルディーネ・カッツ、舞台からのカール・シェーンベックの四人で、舞台女優ヘドウィッヒ・ブライプトロイ、子役だったハンス・リヒター、「自殺倶楽部」のロマ・バーン、エルザ・ワグナー等が助演している。音楽は「ワルツ合戦」「別れの曲」のアロイス・メリヒャルが作曲・指揮に当たり、キャメラは「第九交響楽」のロベルト・バベルスケが担任している。なおジプシー音楽で知られているジョルジュ・ブーランジェが特別出演してヴァイオリンを弾いている。