詩人ジャン・コクトーが脚本・監督を担当した十八世紀のおとぎ話の映画化。巻頭タイトルにコクトーの自筆で「世界は今あらゆるものを破壊し去ろうと熱中しているが、おとぎばなしが天国へ寝そべったまま連れて行ってくれたあの少年時代の信頼感と素直さとを取りもどしたい」という意味のことを述べている。美術をクリスチャン・ベラアル、作曲をジョルジュ・オーリックが担当。その他一流のスタッフの一丸となって創り出した交響詩的なニュアンスは旧来の映画にはなかった香気を充満させている。主演はコクトーに見出されたジャン・マレー。なおこの映画は1946年フランス映画コンクールの授賞作品で巴里ラ・マドレエヌ劇場で三ヶ月の長期興行に成功している。2022年12月30日から開催される【没後 60 年 ジャン・コクトー映画祭】にて上映。