ウィリアム・シェークスピアの同名史劇の色彩映画化で、四四年末から四五年にかけて製作された。製作、監督、主演は「レベッカ」「嵐が丘」のローレンス・オリヴィエで、監督としての処女作品である。撮影は「逢びき」のロバート・クラスカー監督のもとにジャック・ヒルドヤードが当り、セットはデナム撮影所で、ロケーションはエールのパワースコートで行われた。美術監督はポール・シェリフとカーメン・デイロン、衣しょうはロジャー・ファースとマーガレット・ファースで、編集はレジナルド・ベックが担当し、音楽は現代英国一流のウィリアム・ウォルトンが作曲し、ロンドン・シンフォニー・オーケストラがミューア・マシーソンの指揮で演奏している。色彩はテクニカラー式でナタリイ・カルマスが監督した。オリヴイエを助けて「無敵艦隊」その他多くの米英映画に出演したレズリー・バンクス、「誘惑の港」のロバート・ニュートン、映画初出演のルネ・アシャーソン、「妖婦」のフェリックス・エイルマー、「青の恐怖」のレオ・ゲン、エスモンド・ナイト、ハーコート・ウィリアムス、アイヴィー・サンテリエ等が出演している。