世界最大のバス歌手として知られているフェオドール・シャリアピンが主演する映画で「三文オペラ」「炭坑」「熱砂の女王」と同じくG・W・パブストの監督作品である。原作はセルヴァンテスの有名な作物でこれをフランスの文学者ポール・モーランが改作し、アレクサンドル・アルヌーが台詞を執筆した。シャリアピンを助けて出演する人々は、フランスの舞台の人気者ドルヴィル、「面影」のアルレット・マルシャル、新進のミレーユ・バラン、マディー・ベリー、ドンニオ、ルネ・ヴァリエ、等であるが、なおこの映画にはフランス楽団の新人ジャック・イベールが作曲に、「三文オペラ」「最後の中隊」のアンドレ・アンドレイエフが装置に、ロッテ・ライニガーが線画に、それから「嫉妬」のジャン・ド・リミュールが監督に参与している事を書添えておく。撮影は「幻の小夜曲」と同じくニコラス・ファルカシュの担任。