コンスタンス・デュマ(ビュル・オジェ)の演劇学校に通う4人の若い女性、アンナ(フェイリア・ドゥリバ)、クロード(ローレンス・コート)、ジョイス(ベルナデット・ジロー)、ルシア(イネス・ディ・メディロス)はパリ郊外の屋敷で一緒に暮らしている。ある日のこと、アンナは展覧会の帰りに2人の男に襲われ、見知らぬ男に救われる。その男は彼女を送る道すがら、同じ演劇学校の生徒であるセシル(ナタリー・リシャール)が恋人のことで危険な目に会いかかっていると告げる。セシルはルシアと入れ替わりに恋人の家に移っていったばかりなのだった。不審に思ったアンナが尋ねてみると、ジョイスもその男から同じ事を聞いたと言う。一方学校ではマリヴォーの『二重の不実』の稽古が続いているが、どうもセシルは何かを隠しているらしく様子がおかしい。また、例の男が相変わらず屋敷のまわりをうろつきまわり、何かを探すためか彼女たち一人一人を誘惑し始めたこともあって、深まるなぞの中でしだいに4人は疑心暗鬼に陥ってゆく。やがて殺人容疑で逮捕されたアントワーヌ・リュカという男がセシルの恋人で、4人のまわりをうろついていたのは実は司法警官のトマ(ブノワ・レジャン)という男であり、その目的はリュカがセシルに渡した重要書類の入った金庫の鍵であったことが判明する。リュカは脱走し、セシルも姿を消すが、鍵はまだ屋敷の中に隠されているらしい。それを見つけ逃げ出そうとしたトマをジョイスは何かに憑かれたように殴り殺してしまう。翌日、稽古場に刑事がやってきてコンスタンスを連行していく。彼女までが事件に加担していて、リュカとセシルをかくまっていたのだった。残された生徒たちはそれでも芝居を続ける。かえって深まりゆく謎の不安を打ち消すかのように。