アイルランド、ダブリン近郊のひなびた海辺の町。パブのジャズバンドでサックスを吹いている父と2人暮らしのジミーは、恋人というよりは兄妹のようなローズと共に退屈な夏休みを過ごしながら、“この夏は何かすごい体験をしよう”と約束する。ある朝、この街にはにつかわしくないほどの美女・ラネイが駅におりたった。ジミーもローズも興味津々で、やがて何かとちょっかいを出すうち、ジミーはラネイに恋してしまい、彼女の後を追いかけ回すが、そのうち彼女がダブリンにやってきた小さな劇場の主演女優だとわかる。ローズも同じ頃、サーカス一座の象使いの青年とつきあい始めた。ジミーのラネイへの想いはますます募り、昼も夜も彼女のところへ押しかけるが、ラネイは彼を嫌ってもいないが愛を受け入れるふうでもない。そんなジミーを父・サムはしきりに気にし、干渉してくる。サムもラネイと知り合いらしく、パブの片隅で話し込んでいたりする。やがて父はもうラネイとつき合うなと言い、ラネイもジムにもう会いたくないという。怒りと酔いにまかせてラネイを家に連れ込むが、言い争いとなり、ラネイの置き忘れていったバッグの中の写真から、ジムは重大な秘密を知る。ラネイは、死んでしまったと聞かされていたサムの母親たったのだ。やがて劇団は街を離れる日が来て、ラネイも去っていく。そしてサムも父もそこに残り、また同じ毎日が始まるのだった。