青年たちが女性的な装いを好んだ一六世紀末エリザベス一世(クェンティン・クリスプ)の治下、晩餐の宴で青年貴族オルランド(ティルダ・スウィントン)は女王に詩を捧げた。女王はオルランドの若さを愛し「決して老いてはならぬ」という条件つきで屋敷を与えた。まもなく女王は崩御、次いで父親も亡くなり、オルランドはユーフロジニと婚約する。大寒波で氷の都となったロンドンで、新国王ジェームズ一世に挨拶するロシア大使一行の中に美少女サーシャ(シャルロット・ヴァランドレイ)を見たオルランドは、ひと目でとりことなり愛を誓う。二人はロンドン橋の上で落ち合い旅立つ約束をするが、サーシャは現れず、失恋したオルランドは六日間昏睡状態に陥る。眠りから覚めたオルランドは詩作に没頭するが、尊敬する詩人(ヒースコート・ウィリアムス)から罵倒され詩作も断念し、オレンジ公ウィリアムに申し立てオリエントの国へ大使として旅立つ。十年の月日がたちオリエントになじんだオルランドにアン王女からバース勲位が授けられた。授勲式の夜、親しい王(ロテール・ブリュトー)が敵国の急襲を受け、戦いになった。敵兵が死んでゆくのを見たオルランドはショックのあまり二度目の昏睡に陥る。二日目に目覚めた時、オルランドは女になっていた。イギリスに戻り貴婦人として社交界にデビューしたオルランドはハリー大公のプロポーズを断る。「自然よ、私をあなたの花嫁にして」と大地に向かってオルランドがつぶやいた時、突然馬にまたがったひとりの男が現われた。アメリカ人の冒険家シェルマディン(ビリー・ゼイン)とオルランドは恋に落ち、甘美な一夜を過ごす。翌朝、ヴィクトリア女王の使者が「男子を産まねば財産は没収する」という通達を持ってきた。旅立つシェルマディンを見送ったオルランドはやがて身重の体で戦場を逃げまどう。時は移り、現代のロンドン。オルランドは出版社に原稿を持ち込む。そして幼い娘をサイドカーに乗せ、百年前に失った屋敷を観光客として訪れ、自分の肖像画を見るのだった。