外房で海女として働く初子は、異父兄の浩一と共に生活し共に働いているのだが、いくら好きでも兄妹という厚い壁にはばまれている。その想いを打ち消そうと、初子はアルバイトで海女芸者をしながら毎晩のように客と寝ていた。ある日、浜辺に心中未遂の男女が引き上げられた。この鈴子と安男は浜の人たちの介抱で元気になると、鈴子は網元の吉太郎の経営するバーで働くことになり、初子は、居場所のない安男を家に泊めてやることにした。その晩、安男は初子を抱きしめ、最初は嫌がった初子も、次第に燃えてくるのだった。隣の部屋では浩一が初子の洩らす声を息をひそめて聞いていた。翌日、浩一が町を出た。その夜、初子は積極的に安男を求めるのだった。数日が経って、浩一がひょっこり帰って来た。浩一の顔を見て怒り出した初子だが、やがて泣きじゃくりながら浩一の胸に飛び込んでいった……。