山峡の奥に、ひっそりとたたずむ温泉旅館の仲居・弓子は天真爛漫に生きる女。まじめで好青年な新司という恋人もいた。ある日、弓子は、客の大学生・草間らに犯されそうになったところを新司に救われる。しかし、その晩のことも忘れて、弓子は草間たちとドライブへ。新司も山道で出会った昌子とホテルへ。彼ら二人は、心とは裏腹に、反発しあっているのだった。ある日、板前の順三と新司が市場からの帰り道に、順三が昔、殺してしまった敏男という男の妻の良江と再会。鬼勘と呼ばれる金貸しの二号となっていた良江。空しい性の宴の中で、良江の頭にうかぶのは、順三のことであった。もともと、敏男のあまりの暴力から、彼を殺してしまった順三。そんな二人だから決心した良江とともに、順三は岩風呂で燃えた。一方、弓子のヒモ・田島が現われ、弓子と田島が激しくやり合っていると、順三と新司がかけつけ、順三と田島は、雪渓の彼方へのみこまれ、残った二人はしっかり抱きあうのであった。