父の残した莫大な財産で何不自由なく幸せに暮す一彦と盲目の妹綾子。結婚式をあげてすぐ蒸発した一彦の妻響子が六ヶ月振りに医師稲葉に伴なわれて帰って来た。しかし記憶喪失にかかっており過去の記憶はまるっきり無かった。しかも夜の行為の激しさは別人であるかのようであった。盲導犬ジェロニモが、響子に吠えつくのを知った綾子は今いる響子は別人ではないかと疑問を感じてきたが一彦にこのことを言っても信用されなかった。ある日、一彦は響子が公衆便所の中で売春しているのを目撃した。この事で彼女を責めると、自分には金がないので不安であると逆に訴えるのだった。一彦は財産分与の遺言状を書いた。遺言状さえ入ればしめたものと、ニセ響子と稲葉はまず、ジェロニモを薬殺し、稲葉が綾子を殺すべく車で運ぼうとしたが、抵抗する綾子のため稲葉を乗せたまま車は転落炎上してしまった。やがて、土の中から本物の響子の腐乱死体が発見された。今はニセの響子に飲まされた薬のため一彦も失明し兄妹二人で恋人同志のように仲良く暮すのだった。