銀座に巨大なビルを構える米国の飲料メーカー代理店ポップ・コーラ社長子母沢圭介が“黒の戦線”と名のる何者かによって誘拐された。“黒の戦線”の挑戦を受けた警視庁は大捜査網をひいた。その中にベテラン刑事の舟木長太郎と彼の息子の明がいた。“黒の戦線”から連絡が入った。社長の命と引き替えに企業秘密である原液の分析データーをマスコミに発表せよ、との要求であった。そして翌日、“黒の戦線”は西南デパート屋上から、たれ幕を吊り下げ、子母沢社長の処刑通知を予告してきた。そして、その時の大騒ぎをよそに、彼らは近くの銃砲店を襲った。一方、ニューヨーク本社からは、企業秘密を守るため、身代金30万ドルを提示してきた。その頃、明の上司である鬼丸係長がコーラビルを巡回中、“黒の戦線”の手にかかり、めった打ちにされ、その身体は有楽町の電話ボックスの中で発見された。数時間後、八千万円を用意せよ! との要求がきた。八千万円の入ったカバンを持った明は、彼らのいうままに単身パトカーに乗った。パトカーに彼らから次々と行き先の指示があり、最後の受け渡し場所は、以外にも、日曜日の歩行者天国でにぎわう銀座四丁目だった。その交差点で待つ明に、二人の男が近ずき、そのカバンを他の仲間に渡すと、二人は明を人質に逃走した。そして、明を地下鉄の吊り皮に手錠でつなぐと、まんまと逃走してしまった。一方、“黒の戦線”の一味であるコーラビル守衛の原口は、恋人康子とともに鬼丸に顔を知られたために、病院へ潜入して鬼丸殺害を計った。だが鬼丸は殺される直前、康子の腕に手錠をかけ息絶えた。丁度見舞いに来た明は、康子が逃げ去る原口の名を呼んだことから、コーラビルに駆けつけ原口を追った。だが、原口は逃げる途中、車にはねられ即死した。犯人はコーラビルの中にいる! 一斉にビルが捜査された。だがすでに遅く、社長は殺され、八千万円の入ったカバンとともに近くのビルに吊るされていた。“黒の戦線”の首謀者・綾小路以下、花森、風間たちと警察の激しい銃撃戦が始まった。明は彼らの意表をつき、全員を射ち殺した。綾小路は「革命とは死ぬことだ」と顔に笑みさえ浮かべて息絶えた。“黒の戦線”との闘いは終った。屋上の拡声器からは彼らの革命理論が流れる。それを背に明は、鬼丸の通夜へと急いだ。