われらが若大将・田沼雄一はスキヤキ屋“田能久”の一人息子。京南大学四年生でマラソン部のキャプテンだ。秋の全日本マラソン大会を控えてトレーニングに余念がない。マネジャーの江口が実家からの仕送りがストップして弱っているのを見て、雄一は、“田能久”へ住み込みアルバイトをさせてやった。ある日、マネジャーをバトンタッチされた青大将ことブルジョアの石山と銀座へ出た若大将は、メトロ運動具店の女店員中里澄子をカミナリ族から助け、澄子にひと目惚れした石山は四百万円のモーターボートを注文してしまう。一方、“田能久”で働く江口は若大将の妹照子に首ったけ。それを知った若大将は父のお膳立てした照子の見合いをブチこわし二人を結ばせてやる。そこへ青大将が小遣いを使いすぎて勘当されたといって転がり込んできた。青大将がボートの残金を払わないので澄子が困っているのを知って、若大将が払ってやった。気前のよいおりき婆さんが父の銀行預金をこっそりおろしてくれた金だ。しかし、それがバレて若大将は勘当をいい渡された。夏休みがきて、芦ノ湖畔で合宿生活が始まった。月明の夜、近くのホテルへ仕事にきた澄子と若大将のボートが、愛の波紋を描いた。水上スキー・コンテストで優勝した若大将は、スポンサーの社長令嬢美幸から十万円の賞金をもらうが、悪質な週刊誌のトップ記事になったことから若大将と美幸の仲を誤解した澄子は、本当は大好きな若大将にそっぽを向いて、青大将とデートを重ねるのだった。やがて、全日本マラソン大会の日がきた。澄子への失恋の痛手のため、若大将の足はスタートから重かった。がすべてが誤解と知った澄子、父、おりき婆さんの必死の声援で、若大将は猛然とピッチをあげ、ゴールに飛び込んだのである。