スケとハジキに明け暮れる大介は、珍らしくもキャデラックを乗り回す女三沢葉子に誘われて、白浜温泉で正月を迎えた。宿屋の女中玉子を相手に、時間をもてあます大介に、葉子は仕事を頼んだ。ハジキに関係のある仕事だ。喜々として大阪のドヤ街に戻った大介は、顔見知りの木村刑事から、同僚の宮本を殺した一六組のボス稲取を捜して欲しいと懇願された。この稲取は、葉子が「殺されそうだ」と訴えた男であった。稲取の根城バー“スミレ”を訪れた大介は、サツの回し者と見られた挙句軟禁された。どうやら稲取は乾分と共謀して大会社の金をゆすっているらしい。数日後、解放された大介は、ドヤ街で葉子に会い宿屋に連れてゆかれたが、そこで大介は白浜で出会ったハジキをもった男に出会った。この男が稲取ではないのか?大介の頭に疑惑がよぎった。翌日理由もなく木村に逮捕された大介は、稲取の乾分辺見が、スミレのホステスまゆみと逃げ殺されたこと。そして会社の重役有馬の死体から大介の弾が出たことなどを知らされた。稲取のモンタージュにしぶしぶ協力した大介は、稲取を白浜に追った。そこでは意外にも、葉子が稲取に抱かれて微笑んでいた。葉子は大金を稲取と分け会う約束をしたが、稲取を警戒するあまり大介をボディガードにしたのだった。全てを知って大介は、稲取と対決した。ウルトラCの大介と二段撃ちの稲取。夕陽に映えた二人のシルエットが揺らいだ瞬間、勝負は大介のものとなった。再び大阪に帰った大介は、追いすがる玉子を木村刑事に預けると雑踏の中へ姿を消していった。