ある日、深夜の国道一号線で、二台の車が激しい銃撃戦を展開し、駆けつけたパトカーに乗っていた望月警羅隊長が流れ弾にあたって死んだ。それから数日、早射ちと度胸が自慢の大阪野郎鴨井大介は、バーで知り合った女京子に誘われるまま、古美術商という秋津専作に会わされ、秋津所有の古美術を東京に運びこむための用心棒をたのまれた。先夜の自動車襲撃は、秋津の荷物を狙ったギャング団、多々良らの仕業であった。やがて、秋津の古美術は大介の護衛の甲斐あって無事芝浦の倉庫へ入った。ところが、秋律と京子の行動に不審を感じた大介が、馴染みの警部木村やスリの安さんの援助を得て調べてみると、古美術とは真赤な嘘で、実は密輸の金塊であった。その上、京子という女、大介には秋津の娘とふれこんだが、かつては多々良の恋人で、今は秋津の情婦になったしたたか者だ。この情報源は秋津の秘書雪枝だ。雪枝は、ヤクザ団体とは知らずに、秋津の会社に入社し、秋津にだまされたうらみを、いつか晴らそうと機会を狙っていたのだ。そしてある夜、雪枝と共に一夜を過した大介は、翌朝風呂場で雪枝が殺されているのを発見した。嫌疑は当然大介のもとにかかり、大介は警察に拘留された。それから数日、疑が暗れて出所した大介のところに、彼を慕う玉子がやって来た。玉子の職業はストリッパーだったが、上京してくる母親や弟のためにファッション・モデルとして紹介して欲しいと言うのだ。そんな時、京子が、秋津から再び商売の都合で多々良に売られることを嫌って大介のもとに助けを求めに来た。これ幸いと大介は京子を助けるかわりに京子に、玉子のためのマンションの権利金を出させた。やがて、玉子のマンション暮しが始った。だが、ある日、再び多々良と手を組んだ秋津から、荘吉を人質としたという電話が大介にかかった。大介は単身、秋律と多々良のもとにとびこんでいった。そこには、すでにおびきよせられていた京子もいた。激しい銃撃戦の最中、京子は銃弾にあたり大介の胸の中で死んでいった。大介の手練の早射ちでギャングたちは一掃された。大介はまた風のむくまま気のむくまま街に消えていった。