水産大学の学生雄一は、級友の青大将こと石山や江口と共に、練習船で遠洋航海の最後の港ハワイに来た。雄一たちはハワイの日本料理店「京屋」で食事をしたが、そこでチンピラに絡まれているスチュワデス澄子を助けた。雄一は、彼女と親しくなり、再会を約して別れた。練習航海を終って大学に戻った雄一たちは、大学最後の年を迎え、雄一は柔道部の、石山はレスリング部の新入部員を勧誘するのに大わらわだった。人気のあるレスリング部に比べて、新入生が一人も現われない柔道部の有様を見た雄一は、女子学生を入部させることで男子学生の勧誘に成功した。そんなある日、澄子が大学を訪れ、雄一と再会したのだが、彼女に熱を上げる石山は、澄子と二人きりになろうと、しつこくつきまとった。雄一が家に帰ってみると、「京屋」の有田一家が日本に来ると知らせがあった。やがて、有田一家が娘の美奈子を連れてやってきたが、雄一の家がすきやき屋「田能久」であると知ると、「京屋」に支店を出せばハワイの日本人が喜ぶだろうともちかけてきた。一方、四年生になった江口は就職口を探すのに懸命だったが、石山は父親の会社に専務として入りこむことが決っているので、澄子の飛行機が日本に来るたびに彼女の後を追い回していた。ある日雄一は、父久太郎の代りとしてすきやきの指導に、再びハワイへ行くことになった。その前夜澄子と二人きりで会った雄一は、自分の未来を語り、二人は急速に親しみの度を増していった。「京屋」で始めた「田能久」のすきやきは好評だった。雄一は美奈子とハワイ見物を楽しんだが、澄子を追ってきた石山も同道していた。石山のしつこさにたまらず澄子はタヒチの地上勤務になったと石山に嘘の手紙を書いたが、驚いた石山と雄一は美奈子と共にタヒチに向った。勿論、澄子はいず、そこの海で溺れそうになった美奈子を助けた雄一は、軽い潜水病になった。病院でうなされる雄一はしきりに澄子の名を言いつづけた。雄一を愛しはじめていた美奈子はそれを知ると、自分の恋を諦らめるのだった。日本に帰った雄一には日本柔道選手権試合が待っていた。一方、澄子は雄一が美奈子を愛していると誤解して雄一から離れていったが、ハワイで美奈子と会い、雄一が自分を愛していることを知った。選手権試合の日、決勝に進んだ雄一はオランダからの留学生ヘイスティングと対し、その巨体を武器にした寝業に苦戦していた。しかし、試合場に駆けつけた澄子の声援に奮起した雄一は、ヘイスティングを破って見事優勝したのだった。夏の一日、雄一が澄子をヨットに乗せて帆走している姿が見られた。