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あかね雲

  • あかねぐも
  • Embrace Me at Sunset/Clouds at Sunset
  • Embrace Me at Sunset/Clouds at Sunset


  • 平均評点

    71.6点(37人)

  • 観たひと

    53

  • 観たいひと

    6

  • レビューの数

    12

基本情報

ジャンル 文芸
製作国 日本
製作年 1967
公開年月日 1967/9/30
上映時間 107分
製作会社 表現社
配給 松竹
レイティング 一般映画
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ カラー/シネスコ
メディアタイプ フィルム
音声
上映フォーマット 35mm

スタッフ

監督篠田正浩 
脚色鈴木尚之 
原作水上勉 
製作中島正幸 
撮影小杉正雄 
美術戸田重昌 
音楽武満徹 
録音西崎英雄 
照明中村明 
編集杉原よ志 
スチル久保哲男 

キャスト

出演岩下志麻 二木まつの
山崎努 小杉稲介
佐藤慶 猪股久八郎
小川真由美 律子
野々村潔 鴨下刑事
花柳喜章 久能川市次
信欣三 二木
赤木蘭子 二木
河原崎長一郎 二木勇
宝生あやこ 里見チカ
織田順吉 清川誠
日高澄子 繁子

解説

水上勉の同名小説を、「湖の琴」の鈴木尚之が脚色し、「処刑の島」の篠田正浩が監督した文芸もので、独立プロ表現社の第一回作品。撮影は「恋のメキシカンロック 恋と夢と冒険」の小杉正雄。

あらすじ

昭和十二年頃の石川県輪島。まつのは、病身の父と貧しい家計を助けるため、商人宿の女中に出た。ある日、狐独なまつのの相談相手となっている女給の律子が、景気のいい山代温泉へ行こうと彼女を誘った。まつのは迷ったが、ちょうど缶詰会社の外交員の小杉を知り、彼が山代で働き口を見つけてくれたことから、山代行きを決心した。山代に向う列車の中で、まつのは燃える西空にあかね雲を見た。温泉町に着いたまつのは、律子の心配をよそに、小杉を信用して仲居になったが、化粧をして見違えるほど美しくなった彼女は、たちまち酒席の人気者になった。大陸での戦線は拡大する一方で、南京陥落の報が伝わってくるころ、まつのにも水商売の女がたどる運命が待っていた。小杉が世話になっているという中年の久能川が最初の男だった。それは小杉が勧めたことで、まつのは小杉と寝るのだったら嫌ではなかったのだが、久能川がくれる百円が欲しかったのだ。その心のうちを聞いた小杉は、あてどもなく町をさまよった。その日も、西空には絵具をとかしたようなあかね雲が浮んでいた。そのいきさつを知った律子は、自分は娼婦のような生活をしていても、まつのにはそんなことをさせたくないと思っていたから、まつのを叱り、小杉を罵倒した。しかし、まつのは彼を悪人とは、どうしても思えなかった。彼女は金沢の小杉の下宿を訪ねた。二人はいつか堅く抱きあったが、小杉は何故かまつのを振り払った。山代に戻ったまつのは憲兵少尉猪股の訪問を受け、その時初めて小杉が脱走兵であることを知った。国民の志気に影響すると秘密裡に捜査していた猪股は、まつのの水揚げの顛末を知り、小杉を人身売買の罪に問い、公開捜査に踏み切った。まつのは山代を追われ、郷里に帰ったが、間もなく身の隠し場所のなくなった小杉から手紙が来た。至急会いたいというのだ。まつのは小杉のひそむ福浦港に向った。漁師町でのうらぶれた宿での二人の再会も束の間だった。まつのの後をつけていた鴨下刑事によって、小杉はあっけなく捕ってしまった。茫然とするまつのの目にうつったものは、かつて何度か見た、水平線の彼方に太陽が沈んだあとの、暮れなずむ海の色と、血のようなあかね雲だった。

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