京南大学陸上競技部のホープ雄一は、町内会の夜まわりにかり出され、その晩起こった小さな事件からガソリンスタンドに勤める澄子を知った。彼女の可れんさに雄一はすっかり心を奪われてしまった。澄子の方も、大学祭で歌い踊る雄一に、次第に惹かれていった。ある日、自動車部の江口が全日本学生ラリーに出場するはずの石山の事故の代りとして、雄一に出場を頼んできた。雄一は早速スタート地点である京都に向った。そんな雄一を祇園の芸者京奴が、何かと世話をやき、応援に来ていた澄子の嫉妬心をかきたてるのだった。間もなく、ラリーが始まった。澄子たちの声援を背に、雄一はスタートし、快調に車を進めたが、途中、雄一の車はダンプの悪質な妨害を受けてしまった。そのため、雄一は五位に終ってしまった。東京に帰った雄一は、京奴との誤解をとくため澄子を招待したが、雄一の父久太郎は、ちょうど家に訪ねてきた京奴を雄一の恋人と勘違いしてしまい、大袈裟に歓待し澄子を玄関払いするという、失敗をやってしまった。正月の琵琶湖一周駅伝をひかえた雄一はすっかりヤケを起してしまった。一方、雄一との恋に破れた澄子は、親切にしてくれる石山との結婚を考えてはみるが、雄一が忘れられず、京奴を訪ねて、真相を尋ねてみた。京奴は澄子に、雄一が愛しているのは澄子だと言い、澄子を励ましてくれた。澄子は、ちょうど駅伝に出場している雄一のもとに駆けつけた。雄一はライバルの西北大に大差をつけられ、苦戦しているところだった。そこへ、誤解をといた澄子が、晴ればれとした声で雄一に声援を送った。勇躍した雄一はたちまち、ライバルとの差をつめ、ゴール寸前のデッド・ヒートで、ついに西北大を破ってゴールにとび込んでいった。