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女経

  • じょきょう
  • The Young Hurricane
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  • 平均評点

    70.1点(106人)

  • 観たひと

    155

  • 観たいひと

    15

  • レビューの数

    33

基本情報

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1960
公開年月日 1960/1/14
上映時間 101分
製作会社 大映東京
配給 大映
レイティング 一般映画
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ カラー/シネスコ
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル
上映フォーマット 35mm

スタッフ

キャスト

出演京マチ子 お三津
中村鴈治郎 五助
叶順子 弓子
星ひかる 庄平
村田扶実子 お文
川崎敬三 吉須
根上淳 兼光
浦辺粂子 おすぎ
瀧花久子 おふみ
市田ひろみ みどり
南左斗子 君枝
見明凡太朗 医者
早川雄三 刑事一
黒川清司 刑事二
夏木章 男の先生A
三田村元 男の先生B
小野道子 女の先生
毛利充宏 藤波
種井信子 お由
小柳圭子 おきん
山本富士子 土砂爪子
船越英二 三原靖
野添ひとみ ドミノ
菅原謙二 大石
潮万太郎 百々
大辻伺郎 人形
若尾文子 紀美
平倉厚美 勝代
村田知栄子 お辰
川口浩 田畑正巳
田宮二郎 春本
左幸子 五月
春本富士夫 尾久
小笠原まり子 田畑家の女中
三角八郎 田井
宮川和子 キャバレーの女給
竹里光子 キャバレーの女給八重
半谷光子 キャバレーの女給浮子
響令子 キャバレーの女給蘭子
小山内淳 山本(証券会社社員)

解説

村松梢風の「女経」にヒントを得て、「天下の大泥棒 白浪五人男」の八住利雄が三つの物語を構成したもの。「貴族の階段」の吉村公三郎「野火」の市川崑「闇を横切れ」の増村保造がそれぞれを監督した。撮影も「浮草」の宮川一夫、「野火」の小林節雄、「闇を横切れ」の村井博がそれぞれ担当。

あらすじ

〔耳を噛みたがる女〕紀美は隅田川にもやうダルマ船の娘だが、貧しい家庭に愛想をつかし銀座のキャバレー・ゴンドラにつとめて男どもを巧みにだましては金をまきあげ、株を買っているという年に似合わぬしたたかもの。会社社長の後とり息子・正巳は、この紀美を陥落させて見せると友人の春本と賭けをした。スポーツカーでのドライブ、それからパチンコ屋、ついでゴンドラで飲んだ正巳と紀美はホテルの一室へ落着いた。正巳を好きでたまらないという紀美。そんな紀美を例の手練手管の思う正巳。しかし紀美は、あっさり正巳に抱かれた。翌朝、紀美の寝ているうちに正巳はホテルをぬけ出した。ついに賭けに勝った。が、正巳にはどうもスッキリしない後味だった。どうも紀美は商売ぬきで本気に自分を愛していたのではないか……。実は、この日、正巳は父の命令で好きでもない娘と結婚式を挙げることになっていた。昨夜は、いわば自由と恋愛の最後の夜だったのだ。好きでもない女と結婚するより、自分を本当に愛している女と……。正巳は紀美を探しに出た。そのころ紀美は友人の五月のアパートで、五月あての正巳の結婚披露の挨拶状を見つめていた。そこへ正巳が飛込んできた。正巳は紀美の心を確かめようとした。が、紀美は、昨夜のお金を頂戴と手を出した。怒った正巳は部屋を飛出した。正巳の将来を思う紀美の心も知らずに。今夜からまた男をだまして金を巻上げよう……。紀美の顔に悲しいかげが走った。 〔物を高く売りつける女〕「流行作家三原靖氏失踪か! 自殺の恐れあり」と新聞が報じたころ、当の三原氏は空ろな眼をして湘南の海岸に身を横たえていた。その彼の眼前を一瞬よぎった白い顔の女。三原氏はギョッとした。翌日三原氏は砂浜に泣く彼女の姿を見て再びギョッとした。夜、女は燃える手紙の束を見ていた。三原氏は彼女の傍に立った。女は死んだ主人の手紙を焼いていると言った。激しく惹かれた三原氏は彼女の眼を盗んで手紙の端をポケットに入れた。翌日、一軒の別荘の前に彼女が立っていた。三原氏は招ぜられて中へ入った。風呂をすすめられた。湯舟につかる三原氏の前に白い裸身の女が入ってきた。上気した三原氏は女の頬に思わず接吻した。女は、主人がお風呂のとき、いつも私に背中を流させました、あなたの背中を主人と思って流させて頂きありがとうございましたと礼を述べた。そして、女は実家も主人の家も東京にあり、この家は売りに出してあると話した。三原氏は好奇心にかられ、この家を女もろとも買うと言った。売値は六百万。契約の日、三原氏は百万円持って女の家を訪ねた。売買契約書を持った女の態度は大へん事務的だった。翌日、三原氏が女を訪ねると誰もいず、売買契約の事務は不動産がやるとの女の置手紙があった。そのころ、女--土砂爪子は不動産から売買手数料の五万円をもらっていた。彼女は美貌を資本とする住宅ブローカーだった。してやったり、ところが彼女のアパートに三原氏が訪ねてきた。驚いて謝る爪子。しかし三原氏はあの家を五十万円儲けて売ったと言った。氏は爪子が燃し残した請求書から、彼女のからくりを知ったのだ。“君と結婚すればノイローゼにもならないし、小説の種もつきない”--三原氏はにやりと笑った。 〔恋を忘れていた女〕お三津は京都の修学旅行専門の宿屋の主人だ。昔は先斗町の売れっ妓。碇家に嫁ぎ主人に先立たれてから舅の五助に楽隠居させ、木屋町に酒場、先斗町にお茶屋を経営する働き者である。死んだ主人の妹弓子が恋人吉須と結婚するため金を借りにくるが、碇家の財産を狙ってきたものと思い、いい返事をしない。この碇家に名古屋の小学校の団体が宿泊したが、生徒の一人がオートバイにはねられて重傷を起し大騒ぎ。そこへ、お三津の芸妓時代の恋人兼光から電話がくるが、お三津は居留守を使う。何やかやでクサクサしたお三津は自宅へ帰るが、一度関係をつけた五助は、お三津に迫る。五助を突き飛ばして自分の酒場チャイカへ走ったお三津は、そこに彼女を待っていた兼光の傍へ座って泣き伏した。が、昔のことを思って訪ねてきたと思った兼光に二百万円の手形を割引いてくれと切出され、お三津は彼との情愛に水をさされた。そのとき、刑事が入ってきた。九州で詐欺をやった指名手配の男、兼光を逮捕に来たのだ。兼光は抵抗も空しく捕った。そこへ碇家から、怪我した生徒が重態という電話。病床に駆けつけたお三津は子供の苦しそうな姿に輸血を申し出た。助かった子供の感謝の眼は、自分のことしか考えずに生きて来たお三津に新しい喜びを与えた。東京へ帰る弓子と吉須が挨拶に来た。お三津は気持よく金をやった。そして自分も、刑務所へ入った男を待って女の幸せをもう一度つかみたいと明るく言った。

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