東京銀座の舗道で、米軍兵士パット・グラントは一人の日本の女性とぶつかった。その時その女性は慌ててハンドバッグを落として去ったが、パットはそれを拾ってその山田君子の元へ届けた。それ以来パットは山田家を訪ねるようになり、君子との交友が深まった。君子の父健太郎は古い実業家で、自分の育った古い伝統と教養を忘れなかった。新興財閥の鈴木は金力で君子を自分の妻に迎えようとしていたが、健太郎はアメリカやヨーロッパに遊学した教養ある紳士木村三郎を君子の夫にと決めていた。鈴木はあらゆる手段によって山田家を困らせようとして、そのたびに木村に追い払われたが、木村の心を暗くするのは、君子とパットとの愛情が深まっていくことだった。しかしパットは朝鮮戦線に出動してしまい、彼女の卒業式が迫った。卒業式を終えたら、君子は木村と結婚しなければならない。その時重傷を負ったパットが東京の米軍病院へ後送されてきた。君子はその報らせで病院へ駆けつけた。しかしこのことが鈴木から健太郎に密告された。帰宅した君子へ健太郎は、結婚前の娘が外国人と愛を語るふしだらを叱責しようとするが、この時急に大地震が起きて、君子は父の身代わりとなって死んでしまった。パットは君子の美しい愛情の思い出に、彼女を失った悲しみをこらえるのだった。