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巨人と玩具

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  • 平均評点

    73.7点(163人)

  • 観たひと

    257

  • 観たいひと

    12

  • レビューの数

    33

基本情報

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1958
公開年月日 1958/6/22
上映時間 95分
製作会社 大映東京
配給 大映
レイティング 一般映画
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ カラー/シネスコ
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル
上映フォーマット 35mm

スタッフ

監督増村保造 
脚色白坂依志夫 
原作開高健 
企画藤井浩明 
製作永田秀雅 
撮影村井博 
美術下河原友雄 
音楽塚原晢夫 
録音渡辺利一 
照明米山勇 

キャスト

出演川口浩 西洋介
野添ひとみ 島京子
高松英郎 合田竜次
信欣三 矢代光平
伊藤雄之助 春川純二
藤山浩一 横山忠夫
小野道子 倉橋雅美
山茶花究 東隆蔵
伊藤直保 中崎
飛田喜佐夫 松谷
春本富士夫 下村
夏木章 
高村栄一 秋村
伊東光一 春岡
大山健二 
花布辰男 冬崎
潮万太郎 夏木
高見貫 乙骨
武江義雄 金子
松山浩二 運転手A
中江文男 運転手B
浜口喜博 運転手C
星ひかる 黒沢
伊達正 栄吉
村田扶実子 キク
南方伸夫 工場技師(猿沢)
町田博子 合田鈴枝
阿部脩 プロレスラー
目黒幸子 岩崎
山川あい子 菊村須美子
堀込久子 藤本みゆき
渡辺鉄弥 ロカビリー歌手
小山内淳 宣伝ブローカー
杉田康 プロデューサー
須藤恒子 老婆
田宮二郎 学生

解説

文学界所載開高健の同名小説を、「結婚のすべて」の白坂依志夫が脚色、「氷壁」の増村保造が監督、同じく「氷壁」の村井博が撮影した異色ドラマ。主演は「命を賭ける男」の川口浩、「氷壁」の野添ひとみ、「大阪の女」の小野道子、高松英郎。色彩はアグファカラー。

あらすじ

都心のある大きな駅の出口から、今日も群衆が無限に吐き出される。--駅前広場にはサムソン製菓のビルがある。その宣伝課長は合田という男で、宣伝の鬼といわれていた。宣伝課員の洋介は彼の敏腕を尊敬していた。--キャラメルの売りあげ高が悪くなった。宣伝に新手を考えだす必要に迫られた。京子という少女を合田が拾ってきた。虫歯だらけのありきたりの小娘だ。ペロッと出す長い舌と、驚いたような笑い顔が変っていた。洋介の大学の級友横山は競争相手のヘラクレス洋菓宣伝部にいる。もう一つのアポロ製菓の宣伝課員倉橋雅美に、彼は洋介を紹介した。二人は愛しあった。京子のカメラ・テストの結果、彼女はネガ美人であることが判った。写真家の春川は彼女の一日を撮すと、それをあるカメラ雑誌に発表した。ジャーナリズムが騒ぎだした。週刊誌、ラジオ、ファッション・ショー……。これらすべての売り込みの後には合田がいた。彼は社のトレード・キャラクター決定会議を自分の思惑通りに運び、京子を使うことを重役連に承諾させた。いよいよ特売合戦だ。京子は今まで勤めていたボロ会社を止め、宇宙服を着て、ポスターやテレビで笑い始めた。虫歯がかえって効果的だった。ヘラクレスは動物の景品、アポロは地味だが母親に説得力のある奨学金。アポロが一頭地を抜いた売り上げを示した。しかし、アポロ・ドロップスに子供が中毒する事件が起った。サムソンはその足をすくうように大増産を始めた。まるで空巣狙いだ。合田は義父の矢代部長を追いやり、自分が部長になった。しかし莫大な宣伝費にもかかわらず、キャラメルはちっとも売れない。京子は洋介に前からずっと好き、恋人になってと言ったが、彼は断った。小売店が乱売を始めた。景気づけに宇宙展の会場に京子を配することに、合田は決めた。呼ばれてきた京子は以前の少女ではなかった。気取った歩き振りの、飾りたてた女であった。彼女の両親も長屋を引っ越したという。京子は合田の申し出を断った。契約にそんな箇条がないからという。合田は洋介に彼女を色仕掛で抱きこめと命じた。同時に彼は疲れから吐血した。西は京子の歌っている劇場に行き、そこで親友横山が彼女の黒幕、マネージャーになっているのを知った。今さら、京子を連れて来て何になる。叫びわめいてどうだというのだ。“怪物”の中で消化されて機械のように無慈悲な人間になるだけだ! 洋介は会社へ帰ると合田をののしり、彼を尊敬していたのを口惜しく思った。彼はやにわに宇宙服を着ると、雨の中を外へ出た。近づいてきた雅美に目もくれずに。その奇妙な姿を、合田がサムソン・ビルの窓からじっと見送っていた。

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