浜田知佳・25歳、誰よりも積極的にアプローチするがイブの前になると振られてしまうというジンクスを持つ。神林苫子・25歳、恋人を探すよりもプリンを作って好きな本でも読んでたほうがいいという内気なタイプ。性格は全く違う二人だったが唯一共通しているのは、クリスマスイブに彼氏と過ごしたことがないということだった。一方、知佳が勤務する会社に、「野性の太宰享輔、知性の芥川純平」と呼ばれている二人の男がいた。ある日、偶然街角で苫子と出会った純平は一目惚れしてしまう。引っ込み思案な苫子も、そんなさりげなく控えめな純平にある種の好意を抱く。かたやプレイボーイの享輔は仲間から無理矢理恋人宣言させられることになり、とっさの思いつきで知佳を指名してしまうが、とあるカフェバーで苫子と出会った享輔は彼女に思いを寄せてしまうのだった。苫子は知佳の相手が享輔であることは知らずまた享輔も苫子が知佳の友人であることは知らない。当然、知佳が苫子と享輔の仲など知る由もないが、そんな三角関係にいち早く気付いたのは純平だった。しかし、彼の心配をよそに苫子にアタックする享輔は、彼女の勤務先にまで押し掛ける始末。苫子も最初は迷惑していたが、次第に享輔に惹かれていくのだった。一方、知佳は享輔のことで頭が一杯という感じで、純平はそんな知佳にやさしい言葉で接するのだった。それからしばらくたって、純平から苫子が知佳の友人であることを知らされた享輔は悩んだ末、知佳に「自分が本当に愛してるのは、苫子なんだ。」と告白してしまう。傷つき落ち込んでしまう知佳。そばで見ていた純平は、享輔を殴った。そして、そのことを知った苫子もまた傷つき、享輔に怒りを覚えるのだった。だが、知佳はなんとか苫子と享輔の仲を取り持たせようとした。純平はいつしかそんな知佳に思いを寄せるようになった。クリスマスイブの夜、享輔は苫子を誘った。知佳の思いやりにも関わらず、ふっ切れないでいる苫子だったが刻々と時間が過ぎていくにつれ落ち着かなくなり、遂に雪の降る公園へと駆けていった。そこで寒そうに震えながら何時間も苫子を待っていた享輔に「君は僕をスキになる」と苫子はつぶやいた。そして、そのころ知佳のところにも、出張中の純平から“メリークリスマス”の電話が掛かってきたのだった。