とある地方の小都市。冴えない中年刑事・戸川修造の息子で高校2年の春は、一級上の恋人・洋子から呼び出され、受験のため別れたいとの話をもちだされる。その頃、春の同級生でテキ屋の酒井組の娘・麻子は中学時代からの親友だった訓子と下校していたが、その翌日、春は修造から訓子が湖で死んだことを教えられる。そして偶然、麻子と出会った春は、彼女に訓子の死を教え、麻子はショックを受ける。一方、事件を追う修造は、訓子が妊娠四ヶ月だったという事実をつきとめ、クラスの担任である由起子に会う。教師としての責任を感じて涙ぐむ由起子に、思わず一目ボレしてしまう修造。訓子の火葬の帰り道、ふとしたことで春を自宅に誘った麻子は、春に想いを寄せるようになり、春もまた麻子を意識するようになっていた。同じ頃、由起子は学校の同僚で新体操部の顧問・風見に訓子の死と妊娠のことを相談し、風見は愕然とする。一方、麻子と春も訓子の死の謎を調べていた。そして、そこで思わぬ事実が明らかになる。訓子は風見と深い関係になっており、妊娠の相手は風見だったのだ。そして、そんなかなわぬ恋に失望した訓子は死を選んだのだった。最初は否定したものの、春や麻子にその事実を打ち明けた風見は、彼らの前から姿を消す。こうして事件は夏と共に過ぎ去っていくのだった。