1913年頃のイタリア中北部トスカーナ地方、ボナンノ・ボナンニ親方(オメロ・アントヌッティ)の合図で幕が、外され、中世イタリア・ロマネスク様式の“奇跡の聖堂”の修復が完成し、披露される。が、その修復は、ロマネスク大伽藍の建築と修復を家業としてきたボナンノ家の最後の仕事だ。重なる借金に、決断を7人の息子にまかせて引退を決意するボナンノ。末息子の2人、ニコラ(ヴィンセント・スパーノ)とアンドレア(ジョアキム・デ・アルメイダ)は、家業を続けようと主張し、腕を磨く意味でもアメリカに出稼ぎに行くことを父に懇願し許しを得る。意気揚々とアメリカに渡った2人は、しかし、それが容易でないことを感じる。荒野で途方に暮れる2人の前に、パナマ運河開通記念のサンフランシスコ万博でのイタリア館建築に向かう一行が現われる。なつかしいイタリア語を聞いて、たまらず彼らに同行する2人。イタリア館とその宝石塔が話題を集めたサンフランシスコ万博で上映するのは、パストローネの「カビリア」。それを自分ひとりのためにオーケストラを借りきって見るのは「イントレランス」を手がける決意をしたてのD・W・グリフィスだ。彼は、その大作「イントレランス」で、イタリア館を建てた棟梁たちをスタッフに加えろと指示する。棟梁になりすましてハリウッドに着くニコラとアンドレア。華麗な撮影風景に驚嘆した彼らは、そこで美しいエキストラ、エドナ(グレタ・スカッキ)とメイベル(デジレ・ベッケル)と知り合う。彼女たちは、しかし、エキストラにうんざりし、しきりに踊りをデモンストレーションする。兄弟は棟梁として認めてもらおうとするが、製作主任のグラース(デイヴィッド・ブランドン)が若すぎるといって追い払う。落胆する2人は、メイベルとエドナにはげまされる。ニコラはエドナから、アンドレアはメイベルからそれぞれ愛をうけ、兄弟は名もない仕事を次々にこなす。やがて、森の中で、彼らは象を作り出す。父と仕事をした“奇跡の聖堂”のあのイメージを甦らせる。グラースの妨害も撮影所の仲間たちの協力でのりこえ、2人の象はグリフィス監督に認められた。栄華の都バビロンのセットが決まった日は、ニコラとエドナ、アンドレアとメイベルの同時に結婚を祝う日。その宴席に、はるばるイタリアからボナンノがやってきた。聖堂づくりに出稼ぎにいったのであって、ハリウッドなどで働くためでないといって、グリフィスに敵意をみせるボナンノ。しかし、かつての聖堂づくりが今の映画づくりではないかと語るグリフィス。超大作「イントレランス」の完成試写会はアメリカの参戦を求める世論が沸騰する中で行なわれ、試写会場前には、反戦映画の上映に抗議する人々が殺到した。不穏な空気の中で産気づくメイベル、同時にエドナも。男の子が生まれるなら名前はボナンノと同時に言い争うニコラとアンドレア。子供はそれぞれ生まれたが、エドナは死ぬ。絶望したニコラは大戦中の故国に戻り北伊戦線でオーストラリア軍と戦う。戦場で再会する2人は重傷を負って死を待つばかりとなるが、お互いの姿をキャメラに撮り合うのだった。