生れつき口も八丁手も八丁の上田ヒトシ、始めたのが資本いらずの商売、喧嘩の仲裁よろずまとめ屋だった。同好の士、一騎当千のツワ者が七人集った。社長は上田で専務の花木は国定忠治のヒマゴというヤクザ調、童顔で泣き落しの演技は絶品という谷村、法律通の女形石山、示談屋くずれの犬養と佐倉、それにチンピラ安井を加えた七人が喧嘩と聞けば飛び出して行く。初めは犬の喧嘩か夫婦げんかの仲裁が精いっぱい、全員暇をもてあます毎日だった。そこへ飛び込んできた中山ミエが団地マダムと商店街のいさかいを持ち込んだ。ソレッとばかりテンヤワンヤのクレージー作戦で見事開店第一号のもめごとはガッチリいただき。ところが、大福金融の社長権兵衛と愛人恵子のもつれでは、騙したつもりが逆に騙され、一文の利益にもならなかったという連中でもある。仲裁の申し込みが引きもきらぬ今、金まわりもよくなるにつれてだらけてきた社内の空気に憤慨したのがミエ。カツを入れられて一同再び生気を取りもどし、世のため、人のため、世界平和のためならばと張り切っているところへ警官隊がなだれ込んだ。詐欺ならびに誇大宣伝容疑で逮捕すると、何が何んだか分らない中に全員ブタ箱に抛り込まれた。その上田の許に舞い込んだのはロシヤ語らしい依頼状、どうやらフルシチョフから国際危機の解決を求めてきたらしいというから、クレージー作戦のハナバナしい進撃は止まるところを知らない。