幼稚園バスの運転手・西海道夫は妻あや子、息子タカシと平和な生活を営んでいた。ある日、バス運転中に信号待ちをしているところへ、突然バイクに乗った覆面の男が窓の外から拳銃トカレフをタカシに向け、あっという間に連れ去ってしまった。呆然と見送る道夫。傍には覆面男にバイクを盗まれた、道夫たちと同じマンションに住む新聞社の印刷局員・松村の姿があった。犯人は警察の見張るなか身代金をまんまと手にし、数日後、タカシは遺体となって発見された。事件をきっかけに道夫とあや子の夫婦の距離は確実に離れていく。仕事もやめ、自分を責める日々を送っていた道夫は、ぼんやりとありし日のタカシの運動会のビデオを見ていた時、画面に松村の姿が写っていることに気づき、彼を疑う。高橋刑事に再捜査を依頼するが捜査は一向に進展しない。苛立った道夫は単身松村を追及しようとするが、それを待ち構えていたかのように松村は豹変し、トカレフの銃口を道夫に向け、引き金を引いた。道夫は奇跡的に一命を取り留めるが、警察にはわざと松村のことは語らなかった。1年後、喉元に大きな傷痕を残しながら道夫は回復する。手には偶然手に入れていたトカレフがあった。あや子は彼の元を去っていた。深く静かに復讐へ動き出した道夫は、覆面の男を探し出し、彼の口から松村の居場所を聞き出す。何と彼はあや子と一緒になり、子供までもうけていた。抑え切れない怒りを秘めて、道夫は松村を追う。それに気づいた松村は放火をしかけわざと警察に捕まろうとするが、警察におかまいなく道夫のトカレフは火を吹いた。松村も警官の銃を奪って応戦する。そして遂に道夫は息も絶え絶えながらも、復讐を遂げる。