1999年春。久しぶりに集まった労働組合の元仲間たちによるピクニック。そこに現れたのは、すべてを失い自暴自棄になっているヨンホ(ソル・ギョング)。彼は楽しげな元同僚を尻目に、鉄橋によじのぼり、向かってくる列車に両手を広げて立ちはだかる。その三日前、ヨンホは自殺を決意していた。彼はペパーミント・キャンディーの瓶を抱え、今は人妻となった死の床にある初恋の女性スニム(ムン・ソリ)を見舞いに行く。94年夏。35歳のヨンホは事業で成功を収めていた。しかし妻ホンジャ(キム・ヨジン)は浮気しており、自分も妻を裏切っていた。87年春。新婚で刑事のヨンホ。学生運動家を激しく尋問し、バーの女と一夜の関係を持つ。84年秋。新米刑事のヨンホは、労働組会員に拷問する日々。そんな時、スニムが訪ねてくる。彼は彼女を冷たくあしらい、同じ夜、ホンジャをホテルに誘った。80年5月。光州事件で戒厳令下。軍にいたヨンホは、暗闇の中で足にけがを負いパニックになって、女子高生に誤って発砲してしまう。79年秋。20歳のヨンホは、仲間たちとピクニック。彼はスニムに写真家になりたいという夢を語り、人生で最も美しい瞬間をかみしめていたのだった。