1936年、ガリシア地方の小さな村。喘息持ちのため皆と一緒に一年生になれなかった8歳の少年モンチョ(マヌエル・ロサノ)は、ようやく学校に行く日を迎えるものの、初日に緊張のあまりお漏らしをしてしまう。だが担任のグレゴリオ先生(フェルナンド・フェルナン・ゴメス)と心を通わせることで、学校にも慣れてきた。先生は生徒たちを森へ連れ出し、大自然の世界へ導いていく。ティロノリンコというオーストラリア産の鳥のことや、蝶の舌についての秘密など、先生の話はモンチョをすっかり魅了した。しかしそんな楽しい日々も、スペイン内戦の訪れと共に一変する。広場に集まった群衆の前に、ファシズムに反対する共和派の人々が、両手を縛られて一人ずつ姿を現わす。罵声が飛び交う中、共和派だったグレゴリオ先生も現われた。モンチョは母のローサ(ウシア・ブランコ)に、皆と同じように先生に罵声を浴びせるよう命じられる。よく意味もわからず口を開いたモンチョだが、先生たちを乗せた車が走り出すと同時に、それを必死で追いかけて、こう叫んだ。「ティロノリンコ! 蝶の舌!」。