ハンガリーの首都ブダペストにあるレストラン・サボーの経営者ラズロ(ヨアヒム・クロール)と彼の美しい恋人イロナ(エリカ・マロジャーン)はピアニストのアンドラーシュ(ステファノ・ディオニジ)を雇い入れたが、次第にイロナとアンドラーシュは惹かれあう。アンドラーシュはイロナのために作曲した「暗い日曜日」を演奏し、レコード化され瞬く間に世界中に広まった。ラズロとアンドラーシュとイロナの奇妙な三角関係は続くが、「暗い日曜日」を聴きながら自殺する者が後を絶たないという知らせがアンドラーシュを苦しめる。そこへかつての常連客であったハンス(ベン・ベッカー)がナチスの幹部としてブダペストに戻った。彼の横暴な振る舞いに人前では決して歌わないイロナが歌って場を取り繕うが、そんなイロナの姿を見たアンドラーシュは自殺する。ハンガリーにもナチスによるユダヤ人迫害の手がさし伸び、ハンスはイロナの身を呈した懇願を裏切ってラズロをアウシュヴィッツに連行する。50年後、レストラン・サボーで80歳の誕生日を祝っていたハンスは、「暗い日曜日」が演奏される中、息絶える。ハンスの死を見届けたイロナは、彼女の息子と祝杯をあげる。