1922年、ドイツ。映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」の撮影準備が進む中、F.W.ムルナウ監督は悩んでいた。主役のノスフェラトゥのイメージにぴったりの俳優が、どうしても見つからないからだ。執念の末に、ムルナウ監督は遂に世にも奇怪な容姿の男マックス・シュレックを探し出す。しかし、シュレックは400年間人間の血を吸いながら生き長らえている、本物の吸血鬼だったのだ。だがリアリズムを追求するムルナウはそれを知っても気にもせず、シュレックがギャラの代わりに要求する主演女優の血を、クランクアップ後に提供する約束を。かくして何も知らないスタッフやキャストを巻き込み、波乱含みの撮影がスタートする……。