福家(水橋研二)は自主製作映画の製作資金を得ようと、撮影仲間で俳優の井藤(鳥羽潤)の紹介で、助監督磯村(大森南朋)ら他のスタッフも誘い、新薬投与実験のアルバイトに参加する。投与実験は、動物実験を経た後の、アルツハイマー型老人痴呆症のための治療薬を投与し、薬の安全性と吸収、代謝、排泄などを明らかにすることを目的とするもの。5泊6日で多額の報酬がもらえるおいしいバイトだ。彼らは契約書に署名捺印し、意気揚々と病院に乗り込む。だが、この治療薬を開発した製薬会社で飼われていたサルが、女子高生を襲って重傷を負わせたという事件が報道されたばかりだった。この事実が、彼らの心にほんのわずかだがひっかかっていた。撮影隊は井藤の提案で、ビデオカメラを使い実験の模様を隠し撮りしていく。病院を抜け出して居酒屋で飲んだり、映画談義をしたりと気楽な日々が過ぎる。が、日が経つにつれ、彼らはそこで異常な事態が起こりつつあることに気付き始める。こっそり退院させられる治験者。病院という閉鎖空間の中で高まりゆく緊張感。メンバー相互の不信感。心身に現れる異変。やがて精神に異常をきたす者まで現れる……。