母(ナタリヤ・ヴドヴィナ)とささやかに暮らしている、アンドレイ(ウラジーミル・ガーリン)とイワン(イワン・ドブロヌラヴォフ)の二人の兄弟。ある夏の日、家を出ていた父(コンスタンチン・ラヴロネンコ)が12年ぶりに突然帰ってきた。写真でしか見覚えのない父の出現に、混乱する兄弟。しかも父は家長然とした態度でいろいろ仕切りはじめ、しばらく息子たちと旅に出ると言い出す。翌日の朝、父と兄弟の3人は釣り竿とテントを積み、車で遥か北部の湖に浮かぶ無人島を目指して出発した。目的地までは3日かかるらしく、父は息子たちに男としての強さを教育しはじめる。その余りに粗暴な教え方に、イワンは時折歯向かってみるが、その度に押さえ付けられるだけだった。アンドレイは次第に父を慕っていくが、イワンは憎しみが募るばかり。そんな中、無人島に到着。兄弟は一時間だけの約束でボートで湖に出るが、イワンが魚を捕ることにこだわり、遅刻。父は激怒し暴力をふるう。我慢できなくなったイワンは逃げて塔の上に登るが、追いかけてきた父が転落死してしまう。兄弟は泣きながら父の遺体を運び、無人島を脱出するが、陸地についたとたんボートが流されてしまい、遺体は湖の底へと沈んでしまうのだった。