アメリカ、ウェスト・ヴァージニア州。この州の75%は森林に覆われ、どこまでも鬱蒼とした無人の樹海が続く。そのなかで、地図にもうっすらとしか載っていない忘れられた山道を、場違いな高級車のレンジローバーがキャンプ道具を満載して走っていた。乗っているのは、ジェシー(エリザ・デシュク)、カーリー(エマニュエル・シューキー)、フランシーヌ(リンディ・ブース)の3人の若い女性と、カーリーの恋人スコット(ジェレミー・シスト)、フランシーヌの恋人エヴァン(ケヴィン・ゼガーズ)。失恋したジェシーをなぐさめるため、仲のいい友人たちが無理を言って彼女をキャンプ旅行に連れ出したのだ。ところが、木々がうっそうと生い茂る暗い森のなかで突然タイヤがパンク。しかたなく車を停めて車から降りたところへ、後ろから走ってきたマスタングが突っ込み、二台の車は大破してしまう。運転していたのは医学生のクリス(デズモンド・ハリントン)。隣州での面接に間に合うようにと、この怪しげな抜け道を飛ばしていたのだ。たいした怪我もなく助かった彼だったが、6人の若者たちは携帯電話も通じなければ行き交う車もない、人里離れた山奥で立ち往生してしまう。ジェシーとカーリーら4人は、仕方なく、公衆電話のあるところまで歩いて戻ることにする。だが道は険しく、陽が暮れるのを気にして先を急ぐジェシーに対し、婚約したばかりで幸せなカーリーとスコットはどうしても遅れがちになる。やがて彼らは山道で殺されたばかりの動物の死骸や奇妙な焚き火を見つけ、不吉な予感に苛まれる。だがそれは、この先で彼らを待ち受ける想像を絶する恐怖の、ささやかな前兆でしかなかった。そして不吉な運命は、事故現場にとどまったフランシーヌとエヴァンにも襲いかかろうとしていた……。