突然の父親の死で、倒産寸前の田舎町ノーサンプトンの靴工場を相続したチャーリー(ジョエル・エドガートン)。どうにもうまくいかずロンドンでやけ酒をくらった帰り道、からまれている美女を彼が助けようとするが、一発でのされ、逆に彼女に助けられる。しかも、彼を助けた美女は、実はドラァグクイーンで男のローラ(キウェテル・イジョフォー)だった。彼女は足に合わないセクシーブーツに悩まされながらも、毎晩華やかなステージを繰り広げていた。ノーサンプトンへ帰り、日に何人も職人たちを解雇するチャーリーに、クビになったローレン(サラ=ジェーン・ボッツ)は、他社の社長はただ座って嘆かずに、乗馬靴や登山靴でニッチ市場を開拓していると叱咤する。目を覚ましたチャーリーは、彼女を臨時顧問に任命。その夜、ローラのクラブへ行き男性の体重を支えられるドラァグクイーン御用達のキンキーブーツの市場価値を尋ねると、ドラッグクイーンたちの好反応に市場開拓の感触を得る。チャーリーのもとへ、ある日、待ちきれないローラが乗り込んできた。職人たちの好奇の目に怖気づくチャーリーを尻目に、彼女はデザイン画をしたためる。そのデザインは驚異的な美しさとシルエットを持つ、究極のキンキーブーツだった。チャーリーはローラを靴工場の専属デザイナーにする。工員たちの失笑を買いながらもふたりは試作を重ねるが、ある時、父親が生前、工場の売却話を進めていた事実を知る。しかしチャーリーの出した答えは、売却ではなく、全生産ラインをキンキーブーツ一本に絞り、一ヵ月後のミラノの見本市に工場の命運を賭けることだった。そして、工場がミラノに向けてフル稼働する中、事件は起きた……。