2001年9月11日。ニューアーク空港発サンフランシスコ行き「ユナイテッド93便」は朝の離陸ラッシュに巻き込まれ、予定時刻を30分ほど遅れて出発しようとしていた。機内には40名の乗客乗員が同乗した。最初に異常に気がついたのはボストン管制センターだった。通信が途絶えていたアメリカン11便から、「操縦室を制圧した。静かにしろ。空港に戻る」という声が聞こえてきた。ボストン発ロス行きで乗客は92名。その情報はニューヨーク州ローム北東地域防空指令センターにも伝えられ、臨戦体制がとられた。11便から傍受した通信を分析した結果、その声はハイジャックした機のことを「プレーンズ」と複数で呼んでいる。その時、ワールド・トレード・センター北棟に、アメリカン11便が激突する。続いてユナイテッド175便が通信不能となり、ワールド・トレード・センター南棟に激突。ユナイテッド93便は穏やかなフライトを続けていた。その時、突然テロリストたちが動き始め、爆弾を持って操縦室を占拠した。機内は混乱状態となり、地上からワールド・トレード・センターの悲劇を聞いた彼らは、これは自爆テロであり自分たちの機もどこかのターゲットに向かっていることを確信する。丁度その頃、ハイジャックされた3機目のアメリカン77便が国防総省に墜落したという情報が各所に入る。絶望の中で乗客乗員たちは、被害を最小限に食い止めようとわずかな武器でテロリストに立ち向かうことを決意する。そして93便はターゲットに到達することなく、ペンシルヴェニア州に墜落した。