横浜にある高級ホテル”レッドキャッスル“にやって来たコナンと小五郎は、そこで謎の男からある事件の真相を突き止めて欲しいと挑まれる。制限時間は12時間、もし事件を解決出来なければ、隣接するテーマパーク”ミラクルランド“にいる蘭たちの腕にはめられたフリーパスIDが爆発すると言う。早速、調査にあたったコナンは、依頼者から出されるヒントを頼りに、同じくこのゲームに参加させられていた平次ら高校生探偵たちと、その事件が、以前、馬車道で起こった現金輸送車襲撃と、その数日後に発生した容疑者・西尾射殺事件であることを掴む。そして、そこに浮かび上がった人物こそ、それら事件の首謀者でゲームの依頼人でもある伊東末彦であった。かつて、横浜海洋大学で犯罪研究会に所属していた伊東。彼は、完璧な計画の下、同期生だった西尾と現金輸送車の襲撃を実行した。ところが、西尾がへまをやらかしたことから計画は崩れ、偶然別の場所で盗みを働いていた怪盗キッドに顔まで見られてしまった。そこで、プライドを傷つけられた伊東は西尾を射殺。キッドの命も狙うのだが、逆に何者かに命を狙われ、瀕死の重傷を負わされた。自分の命を狙った者は誰なのか? 彼は、余命幾ばくもない自分に代わって、優秀な探偵たちにそれを突き止めて欲しかったのだ。果たして、その犯人は――現金輸送車襲撃事件の共犯者で、事件後、自殺したと見られていた麗子であった。麗子は、奪った金を独り占めすべく西尾を射殺し、自ら命を絶ったと見せかけて、伊東をも手にかけようとしたのだ。愛していた麗子の裏切り。伊東にとって、信じたくない真相であった。こうして、時間ぎりぎり事件は解決。麗子は逮捕され、伊東も命尽きるが、コナンたちの活躍によってIDの起爆装置も無事解除されるのだった。