五歳の息子・クリストファー(ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス)と妻・リンダ(タンディ・ニュートン)とともにサンフランシスコで生活するクリス(ウィル・スミス)。生活は困窮していたが、クリスは医療機器のセールスに励み、生活を立て直そうと必死で働いた。しかし家賃の支払いすらままならず、一日16時間のパート労働を続けていたリンダも限界に達してしまう。息子を連れて出て行ってしまうリンダ。28歳になるまで実の父と会った事すらなかったクリスは、息子に自分と同じ思いをさせまいと心に誓い、彼を自分のもとに引き取る。しかし生活は悪化の一途を辿り、父子は医療機器の在庫を抱えてモーテル暮らしを強いられる。そんなある日、クリスは街中で真っ赤なフェラーリを颯爽と乗り付けた高級スーツの男を見かけ、声をかけた。「どうすればあなたみたいに成れるんだい?」。男は株の仲介人だった。聞けば学歴がなくとも証券会社の養成コースを受講すれば正社員採用の道が開けるというのだ。クリスは受講者募集の口を見つけ、定員に滑り込む為の猛烈アピールを開始する。彼の特技であるルービックキューブの技術に関心した採用者によって、養成コースの受講に成功するクリス。無給で六ヶ月の実地研修を続けた末、採用されるのは20人の内のたった一人だと告げられる。厳しい道ではあったが、今の生活から愛息子とともに抜け出す為にはこれしか無いと決め、クリスは勉強と顧客開拓に励んだ。一方生活は益々困窮し、二人は、ついにホームレスにまで身を落とす。手元に残っている金目の物は、壊れてしまった一台の医療機器だけだった。駅のトイレや教会の宿泊斡旋所などを渡り歩き、疲弊しつつもユーモアを絶やさない二人。そしてクリスは六ヶ月の研修期間を乗り切り、20分の1の採用者の資格をも見事に勝ち得た。未来が開けた喜びを噛み締めながら、クリスは息子をむかえに託児所へと急ぐのだった。