NYの吹き溜まり、“ヘルズキッチン”。この街の片隅でキャット(ミラ・ジョヴォヴィッチ)と情夫のビッグ・アル(アンガス・マクファーデン)は暮らしている。アルは短気で手に負えない危険な男。だてに“ビッグ・アル”と呼ばれているわけでもなかった。その危険な魅力が女たちを夢中にさせるのであり、キャットもそんな彼を愛していた。2人は拳銃を密売し、さまざまな盗品をさばきながら食い扶持を稼いでいた。キャットは将来、海辺に家を建てたいという夢を持っていた。しかし2人に思うような仕事のチャンスは簡単に巡ってくるわけもない。キャットは商売の間口を広げようと、アルに内緒で新たな顧客に銃をさばくハナシをつけた。しかしそれに気づいたアルは嫉妬し、手下に命令してその客を痛めつけた。それでも腹の虫が収まらないアルの怒りの矛先はキャットに向かう。アルに殴られたキャットは、アルのような男と生きて行くための代償なのだと自分に言い聞かせてきた。しかし今回は彼と別れた方が良いかもしれないという疑念が湧き起こっていた。アルのキャットへのあまりに酷い仕打ちを目の当たりにし、普段は口を出さないキャットの友人たち、キャットを密かに愛しているレズビアンのヴィック(サラ・ストレンジ)と、キャットに心を寄せるライリー(スティーブン・ドーフ)の2人は、キャットの身を案じて警察に通報した。ソーシャルワーカーのリズ(アイーシャ・タイラー)は、アルの暴力事件を担当していた。リズもキャット同様、虐待に苦しめられた過去を持っていたが、その関係を断ち切り、自分を取り戻していた。リズや友人たちは、アルを告発するようキャットに忠告するが、仕返しの恐怖と、それと裏腹の愛情から、彼女には決断できない。しかしキャットは、リズが自分の人生をリセットするカギとなる女性と感じ、次第に心を開いていく。その一方、リズは、キャットの性的な魅力に引き込まれていく。