赤いヘルメットが印象的なサイクル便のメッセンジャーとして働く純也(荒木宏文)は、1年前にプロ競輪選手だった父を亡くし、今はただ無気力にペダルをこぐ毎日を過ごしていた。そんなある日の配達途中、純也はビルの屋上から今にも飛び降りそうな青年・真太郎(山崎育三郎)と出会う。純也が屋上に駆けつけると、真太郎は何事もなかったかのように無言でその場を去っていった。その後、偶然にも真太郎が原因で事故に遭い、純也はやむなく入院することになってしまう。全治1ヶ月。小学生の夏休みだと思って気楽に過ごす、という純也に真太郎は心を通わせる。出会ってからの時間はわずかなものだが、やがて二人には無二の親友の絆が芽生えるようになる。純也はロードレーサーとして、ツール・ド・フランスに出場したいという夢があった。一方の真太郎も、将来はプロダクツ・デザイナーとして成功したいという希望を持っていた。そんな話をしながら、互いに打ち解けあっていく二人だったが、ある日、真太郎が突然倒れてしまう。もうすぐ死ぬという真太郎の言葉に動揺する純也。共に走り続ける事を決めた純也の未来は……。