ローマの北西にある田舎町・アングイッラーラで暮らす花売りの娘ジョルジャ(マリア・コッキャレッラ・アリスメンディ)は、敬虔なクリスチャンである祖母(ラファエッラ・パニーキ)に厳格に育てられてきた。ある日、花を売るジョルジャの前に一台のリムジンが通り過ぎる。乗っていたのは、漆黒の髪、艶やかな白い肌、潤んだ唇、滑らかに輝く胸元の持ち主、KOKO(叶恭子)だった。翌日、ジョルジャは、あるヴィラに花を届けるよう命じられる。最高級の装飾品や家具で彩られた完璧な部屋。その窓からは、素肌に薄いガウンを纏った昨日の女性、KOKOが見えた。傍らには美しい金髪の青年(パリデ・モッチャ)がおり、まるでおとぎ話の世界のようなメイク・ラヴにジョルジャが目を奪われていると、バトラー(ヴィンセント・パーパ)に肩を叩かれた……。異端を恐れない自由な女、KOKOはそのヴィラでの滞在を存分に楽しんでいた。ある日、黒髪の青年(アレッシオ・シーカ)と愛を交換している時、紳士(アントニオ・マテシッチ)が二人を見ているのに気付く。青年とキスを交わしながら、艶然と微笑むKOKO。天使のようなその微笑みに触れた紳士は、遂に全面的に降伏し、無償の愛をKOKOに捧げるのだった。一方、ジョルジャは、あの人とは住む世界が違うのだ、自分はこうして花を売り続け、牧畜家のアンドレア(アレッサンドロ・カラブロ)と結婚するしかないのだ、とため息をもらしていた。そんな彼女の目に、バラ色のドレスと帽子に身を包んだKOKOの姿が飛び込んでくる。ゆっくりとジョルジャに近づくKOKO。抑圧された日常に閉じ込められた少女の運命がいま変わろうとしていた……。