37年、アメリカのニュー・ジャージー。大富豪エルマー・ボイントンが死亡した。遺書には後妻エミリー(パイパー・ローリー)と子供たちに各々30万ドルを与えるとなっていたが、エミリーは顧問弁護士のコープ(デイヴィッド・ソウル)の旧悪を指摘し、黙っている代わりに全財産を自分に遺贈、彼女の死後に子供たちに分与するという内容のものにかえさせる。先妻の子供たちレノックス(ニコラス・ゲスト)、キャロル(ヴァレリー・リチャーズ)、レイモンド(ジョン・ターレスキー)らは驚くが、長年、刑務所の看守をしていたエミリーは自分の意思を他人に押しつけることに慣れていた。彼女は3人の継子、レノックスの妻ナディーン(キャリー・フィッシャー)、実子ジネヴラ(アンバー・ベゼル)を連れて世界旅行に出発する。イギリスからヨーロッパ大陸へ向かい、イタリアでコープが加わる。煮えきれぬ夫に嫌気がさしていたナディーンはコープと愛しあうようになる。一行は船でパレスチナに向かった。船にはアメリカ人で今は英国議員のウェストホルム夫人(ローレン・バコール)、名探偵エルキュール・ポアロ(ピーター・ユスチノフ)、女医サラ・キング(ジェニー・シーグローヴ)らも乗り合わせていた。エルサレムでポアロは旧友の警察署長カーベリー大佐(ジョン・ギールグッド)に迎えられる。独裁者の如く振るまうエミリー。レイモンドはサラと知り合い愛するようになるが、義母に仲をさかれる。クムラン遺跡を見学に行き、子供たちがあたりを見て廻っているうちに、エミリーが毒殺される。関係者すべてに動機と機会があった。ポアロはカーベリー大佐の頼みで、みんなに質問して廻った。ジョージ6世の即位を祝う舞踏会の夜、ポアロは犯人を指摘する。犯人はウェストホルム夫人で、彼女がかつて服役していたことを思い出したエミリーが脅迫したため、口塞ぎのために殺したのだ。犯人は自殺するが、事故死と発表されて一件落着。