西暦2034年。長崎出島の難民武装蜂起事件から2年余り。「梵」の刺青を入れた男たちが相次いで不審な自殺を遂げる事件が発生。“個人的推論にのっとった捜査方針”を貫くバトー(声:大塚明夫)は、その陰に失踪した少佐が絡んでいるのではないかと考え、ひとり事件を追っていた。バトーの地道な捜査により「梵」の刺青は元シアク共和国最高指導者カ・ルマ将軍への忠誠を示すもので、自殺した13人はシアク共和国の特殊工作員たちであることが判明する。軍事独裁国家のシアク共和国は、今では国自体が崩壊、日本はその難民を受け入れたばかりであった。そのシアク共和国の独裁者カ・ルマ将軍の嫡子カ・ゲル大佐が偽造パスポートで国外逃亡を図り、新浜国際空港で逮捕。取り調べに応じたカ・ゲル大佐が無差別テロの計画について供述を始めると、彼は突如、人質をとって空港に立てこもる。それは茅葺政権にとってアキレス腱となりかねない事態だった。事態の収拾を図るべく、公安9課が立てこもり事件の鎮圧に動き出した。草薙素子(田中敦子)という精神的支柱を失った9課は、従来の少数精鋭による活動の見直しを迫られ、荒巻課長の下で組織の拡大を図り、現在では20名以上の隊員を抱えるまでになっていた。それはかつて少佐たちと分かち合った理想、自らの信ずる正義をなす攻勢の組織であり続けようとの想いからであった。隊長に就任したトグサ(山寺宏一)は、バトーの地道な捜査によって13人の刺青男の自殺と今回の立てこもり事件に関連を見い出し、カ・ゲル大佐を追い詰める。ところがカ・ゲルは「傀儡廻が来る」と謎の言葉を残し、拳銃で自殺を遂げてしまう。その様子を監視する一人の女がいた。草薙素子。彼女は数種類のリモート義体をまるで傀儡のように操り、事件の裏側で密かに暗躍を続けていたのだった……。